布多天神社の境内の史跡、文化財をご紹介しています。お越しになられた際には、その長い歴史に思いを馳せながらゆっくりと時間をお過ごしください。
本殿
江戸時代に再建された本殿
本殿

 布多天神社の本殿は、覆殿に囲まれ直接見ることはできませんが、宝永三年(1706年)に再建されました。一間社流造で向拝の柱頭には象鼻や獅子頭が装飾されており、江戸中期の建築をあらわしています。本殿は、調布市指定有形文化財に指定されています。

神楽殿
毎月、里神楽が奉納される神楽殿
神楽殿

 神楽殿では、毎月25日の月例祭に里神楽が奉納されます。節分祭には豆まき神事が、9月の例大祭では日没になると薪夜神楽が奉納され、幽玄な光景が広がります。

御神木
社殿前に鎮座する樹齢500年の御神木
御神木

 社殿前に構える注連縄(しめなわ)をされた玉垣内、樹齢500年のケヤキの大木が布多天神社の御神木です。現在養生中です。

狛犬
調布市内でもっとも古い狛犬
狛犬

 拝殿前の一対の狛犬は、寛政八年(1796年)に市の繁栄と商売繁盛を祈願して建立されました。調布市内ではもっとも古い狛犬で、調布市有形文化財となっています。
 願主は「惣氏子中」「惣商人中」とあり、今から二百年前、すでに天神の市が開かれていたことを物語っています。

御神牛
菅原道真公の牛にまつわる伝説
御神牛

 菅原道真公は、丑の刻の御生誕で牛を大切されました。公薨去せられ葬送の途中、柩車の牛が臥して動かず、公の御霊が自ら鎮られる所を定められたと牛に関する神秘的伝説が数多く残っています。

しだれ梅
菅原道真公が愛した、美しく咲く梅の花
しだれ梅

 布多天神社の御祭神であります菅原道真公が愛した、梅の花。5歳のとき、病弱であった道真公は庭に咲く紅梅をご覧になり梅の花の歌を詠んでいます。
 境内のしだれ梅は、2月中旬より咲き始め、境内に彩りを添えます。

太閤の制札
豊臣秀吉が戦国時代に発した制札

 当社所蔵の太閤の制札は、戦国時代、関東一円をその勢力下においていた小田原北条氏を豊臣秀吉が攻略したおり、当地方の人心を安堵させるため天正十八年(1590年)4月、郷中に下したものです。
 近世以前には「布田」の地名を「補陀」と書いたことなどがわかり、調布市域における近世以前の唯一の制札として貴重な資料です。

多摩川の碑
調布の里について記した江戸時代の碑文

 「松寿軒筆子中の布多天神社由来碑」と題し、弘化三年(1846年)、国領宿で寺子屋松寿軒を開いていた小林信継が建立しました。小林家は寛政ごろから代々家塾を開き、地元調布や狛江の子弟を教え、松寿軒と号しました。万葉歌『多摩川にさらす手作りさらさらに 何そこの児のここだかなしき』で歌われた里であることが記されています。